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論文

高スピン偏極陽電子源の製造

河裾 厚男; 前川 雅樹; 深谷 有喜; 薮内 敦

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 176, 2011/01

われわれは、高スピン偏極陽電子源として$$^{68}$$Ge-$$^{68}$$Ga放射性同位元素の製造を行っている。われわれは、20MeV又は25MeVプロトンビームを$$^{69}$$Ga標的物質に照射し、$$^{68}$$Ge-$$^{68}$$Ga放射性同位元素の生成を確認した。溶融石英中に生成させたポジトロニウム消滅率の磁場依存性から、$$^{68}$$Ge-$$^{68}$$Ga放射性同位元素から放出される陽電子の縦偏極率が最低でも80%以上であることがわかった。

論文

分子線エピタクシー法で創製したGaCrN中の空孔型欠陥の陽電子ビームによる研究

河裾 厚男; 薮内 敦; 前川 雅樹; 長谷川 繁彦*; Zhou, Y.-K.*; 朝日 一*

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 148, 2011/01

分子線エピタクシー法で創製したGaCrN中の空孔型欠陥をエネルギー可変低速陽電子ビームを用いて評価した。陽電子寿命測定及び消滅$$gamma$$線ドップラー効果測定の結果、540$$^{circ}$$Cで成長させたGaCrN中には空孔型欠陥が生成していることがわかった。理論解析との照合から、この空孔型欠陥が、副格子点8個分の大きさに相当する空孔クラスターであることがわかった。Si添加によるGa副格子の占有に伴って、空孔クラスターは消失するが、別種の空孔型欠陥が生成することがわかった。電子運動量分布に基づく解析から、この空孔型欠陥は窒素空孔とSi原子の複合体であることが判明した。

論文

Establishment of neutron fluence monitoring techniques for quasi-monoenergetic neutron calibration fields of high energy at TIARA

志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 内田 芳昭*; 吉澤 道夫; 原野 英樹*; 松本 哲郎*; 水橋 清

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 158, 2011/01

20MeV以上の中性子に対する中性子校正場は、国内で未整備である。そこで、原子力機構・高崎量子応用研究所TIARAの数十MeV領域の高エネルギー準単色中性子照射場を利用して、校正場の開発を行った。この校正場の中性子フルエンスを直接モニタするために、透過型フルエンスモニタを開発した。整備予定の3エネルギー点でモニタの特性評価を行い、透過型モニタの計数率と照射中性子強度との相関が良好であることを確認できた。また、各測定ごとのモニタ計数値、及び、ビームタイム中のビーム強度の変動を表示・記録できる計測システムを整備し、運用を開始した。また、絶対測定データをもとに基準検出器の値付けを行い、実験ごとにフルエンスモニタに値を移す手順を取り決めた。これらにより中性子フルエンスのモニタ技術を確立し、高エネルギー中性子校正場を確立した。

論文

Surface structure of Si(111)-$$sqrt{21}timessqrt{21}$$-(Ag,Cs) studied by reflection high-energy positron diffraction

深谷 有喜; 松田 巌*; 河裾 厚男; 一宮 彪彦*

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 150, 2011/01

Si(111)-$$sqrt{3}timessqrt{3}$$-Ag表面は、典型的な二次元金属として精力的に研究されている。Si(111)-$$sqrt{3}timessqrt{3}$$-Ag表面上に微量の貴金属原子(Cu, Ag, Au)やアルカリ金属原子(Na, K, Cs)を吸着させると、急激な表面電気伝導度の上昇とともに、$$sqrt{21}timessqrt{21}$$超構造が発現する。これまでの研究から、貴金属原子を吸着させた$$sqrt{21}timessqrt{21}$$超構造の場合、単位格子内の3個の吸着原子は、下地のSiトライマーを囲むように、大きなAg三角形の中心に位置することがわかった。しかし、アルカリ金属原子を吸着させた場合の$$sqrt{21}timessqrt{21}$$超構造の研究はほとんど行われておらず、その原子配置は不明である。本研究では、反射高速陽電子回折を用いて、Cs原子を吸着させた$$sqrt{21}timessqrt{21}$$超構造の原子配置を調べた。測定したロッキング曲線には、全反射領域において、Cs原子が吸着したことによるディップ構造が観測された。動力学的回折理論に基づく強度解析から、Cs原子が下地のAg層から3.04Aの高さに吸着していることがわかった。この値は、貴金属原子の場合に比べて約2.5A高い。これは、Cs原子の原子半径が貴金属原子に比べ約2倍大きいことが影響していると考えられる。また、Cs原子の吸着サイトは、貴金属原子の場合とは異なり、Ag原子の直上に位置していると考えられる。

論文

Structure analysis of K/Si(111)-$$sqrt{3}timessqrt{3}$$-B surface by reflection high-energy positron diffraction

深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦*

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 151, 2011/01

K/Si(111)-B表面は、モット絶縁体表面の典型例として精力的に研究されている。最近この表面が、270Kで$$2sqrt{3}times2sqrt{3}$$-$$sqrt{3}timessqrt{3}$$構造相転移を起こすことが報告された。これまでに、K/Si(111)-B表面の電子状態に関しては、光電子分光等を用いて詳細に調べられている。しかし、その原子配置は実験的に決定されていない。本研究では、反射高速陽電子回折を用いて、K/Si(111)-B表面における最表面K原子の吸着位置を決定した。測定したロッキング曲線には、全反射領域において、K原子の吸着により発現したディップ構造が観測された。動力学的回折理論に基づく強度計算との比較から、K原子はSi第一層から1.99Aの高さに位置していることがわかった。これまでの第一原理計算の結果と比較すると、この高さはK原子が$$H_{3}$$サイトに吸着した場合に対応している。また、理論計算では$$H_{3}$$サイトへの吸着が、表面エネルギー的に最も安定であることが示されている。したがって、最表面のK原子の吸着サイトが$$H_{3}$$サイトであることを実験的に初めて決定することができた。

論文

Vacancy generation around an SCC crack tip in stainless steels probed by a positron microbeam

薮内 敦; 前川 雅樹; 河裾 厚男

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 142, 2011/01

応力腐食割れ(SCC)亀裂進展に伴う格子欠陥導入について検証するため、沸騰MgCl$$_2$$水溶液による加速腐食処理によりSUS304箔試料にSCC亀裂を生じさせ、亀裂周辺の格子欠陥分布状況について陽電子マイクロビームを用いて評価した。その結果、SCC亀裂から200-400$$mu$$mまでの領域で陽電子消滅$$gamma$$線エネルギー分布のピーク中心強度の増大が見られた。SCC亀裂周辺から得た陽電子消滅スペクトルの、亀裂から離れた部位から得た陽電子消滅スペクトルに対する相対変化は、引張試験片の引張前後での陽電子消滅スペクトルの相対変化と良い一致を示し、また第一原理計算より導出した単原子空孔での陽電子消滅スペクトルの、完全結晶での陽電子スペクトルに対する相対変化とも一致することから、SCC亀裂周辺に存在するひずみにより導入された塑性変形誘起空孔が亀裂周辺でのピーク中心強度の増大をもたらしたと結論付けた。

論文

Fabrication of diluted magnetic semiconductor crystals by ion-implantation technique

薮内 敦; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 圓谷 志郎; 松本 吉弘; 境 誠司; 山本 春也

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 131, 2011/01

イオン注入法は非平衡濃度の不純物元素を結晶中に低温で添加することができる技術であり、これは二次相の析出を抑制しつつ高濃度に磁性元素を添加することが求められる希薄磁性半導体(DMS)結晶の創製においても有用な手法である。イオン注入法では照射誘起空孔が導入されるが、空孔の存在がDMSの磁性発現に影響を与える可能性が言われていることから、DMS結晶中の空孔型欠陥のアニール挙動を調べることは重要である。本研究では化合物半導体結晶に磁性元素をイオン注入することによるDMS結晶の創製を試みるとともに、照射誘起空孔の熱回復挙動について評価した。その結果、最大380keVで1$$times$$10$$^{16}$$Cr$$^{+}$$/cm$$^2$$のCrイオンを注入したn-ZnO(0001)単結晶中の照射誘起空孔はN$$_2$$雰囲気中での900$$^{circ}$$C$$times$$30分の熱処理によりほぼ未照射の状態まで回復することが陽電子消滅測定より明らかになった。本試料では、1100$$^{circ}$$Cアニール後のXRD測定でも二次相の析出は認められなかったものの、SQUID測定から明瞭な磁気ヒステリシスは観測されなかった。

論文

Development of beam generation and irradiation technology for electrostatic accelerators

横山 彰人; 宇野 定則; 千葉 敦也; 山田 圭介; 齋藤 勇一; 石井 保行; 佐藤 隆博; 大久保 猛; 上松 敬

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 175, 2011/01

TIARA静電加速器において平成21年度に行ったビーム発生及び照射技術の開発結果を報告する。タンデム加速器では、荷電変換ガスにヘリウムガスあるいは窒素ガスを使用したときのクラスターイオンの生成及び解離断面積を調べた。その結果、生成断面積は両ガスで大きな差はなかったが、解離断面積はヘリウムガスの方が小さく、ヘリウムガスは荷電変換ガスとして有効であることがわかった。イオン注入装置では、これまで低エネルギーの重イオン及びクラスターイオンの形状をモニタする発光体に十分な発光強度、照射耐性を有するものがないため、ビーム調整が難しかった。そこで、2次元のビーム強度分布を測定できるよう、深さと底面の角度が変えられる筒状の33個のFCユニットで構成されたMFC(マルチファラデーカップ)を開発した。底面の角度と深さを変えてビーム電流値を測定した結果、深さが15mm以上であれば、底面の角度に依存せず、正確にビーム電流値を測定できることがわかった。シングルエンド加速器では、ナノビーム形成に必要な高輝度イオン源を開発するために、加速後のビームエミッタンスを発光体を用いて測定するエミッタンスモニターを開発した。従来のSi0$$_{2}$$発光体では水素ビームでも損傷が激しく、発光強度分布に欠損が見られた。そこで損傷が小さく、発光量とビーム電流量に直線性のあるYAG:Ceを使用した結果、損傷は見られなかった。

論文

Operation of the electrostatic accelerators

上松 敬; 宇野 定則; 千葉 敦也; 山田 圭介; 横山 彰人; 齋藤 勇一; 石井 保行; 佐藤 隆博; 大久保 猛; 横田 渉; et al.

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 181, 2011/01

平成21年度にTIARA3台の静電加速器は順調に稼動し、計画されたイオン照射実験はユーザーの都合で中止したものを除いてすべて実施した。年間運転時間は、タンデム加速器,シングルエンド加速器,イオン注入装置についてそれぞれ2100, 2416, 1866時間と例年並であった。整備では、シングルエンド加速器の高電圧ターミナルのイオン源用発信管とSBライン制御用シーケンサが故障し新品に交換した。また、イオン注入装置ではフリーマンイオン源のオーブンコントローラの更新を行った。新ビーム開発においては、タンデム加速器でMnイオンについて150nA程度の生成が可能となった。

論文

Fast single-ion hit system for heavy-ion microbeam at TIARA cyclotron, 3

横田 渉; 佐藤 隆博; 奥村 進; 倉島 俊; 宮脇 信正; 柏木 啓次; 吉田 健一; 江夏 昌志; 高野 勝昌; 神谷 富裕

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 173, 2011/01

TIARAのサイクロトロンにおいて開発中のマイクロビーム・シングルイオンヒット技術を用いて、2009年度に260MeV-$$^{20}$$Ne$$^{7+}$$と520MeV-$$^{40}$$Ar$$^{14+}$$のマイクロビーム・シングルイオンヒットが放射線生物影響、半導体耐放射線性研究及び微細加工技術開発の研究分野で利用された。これらのビームはおおむね順調に提供されたが、ビーム品質をさらに向上させて実験データの質と実験効率を高めるために、マイクロビームの不安定性と、狙った位置にイオンが当らないミスヒットを低減させる必要がある。本論文では、これらが生じる原因の究明と、マイクロビーム・シングルイオンヒットができるビームの種類を拡大するための新ビーム開発を報告する。

論文

Operation of the AVF cyclotron

奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 奥村 進; 宮脇 信正; 柏木 啓次; 百合 庸介; et al.

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 180, 2011/01

TIARAの主要加速器であるAVFサイクロトロンの2009年度における運転及び整備の状況、また、新イオンビーム開発及びビーム計測技術並びにサイクロトロンのイオン種・エネルギー短時間切替技術開発の現状を報告する。

論文

Relationship between internuclear distance and charge state of constituent ions resulting from foil-induced dissociation of C$$_2$$$$^+$$ ions

千葉 敦也; 齋藤 勇一; 鳴海 一雅; 高橋 康之; 山田 圭介; 金子 敏明*

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 163, 2011/01

クラスターイオン特有の照射効果(近接効果)はクラスターからの解離イオン間の距離に依存すると考えられる。解離イオンと固体中の原子核や電子との相互作用の多くはイオンの電荷に強く依存することから、近接効果の発現機構の解明において、固体中でのクラスター解離イオン相互の核間距離と電荷は極めて重要な要素である。そこで、薄膜に入射するC$$_2$$$$^+$$解離イオンの初期核間距離と薄膜透過後の最終電荷の関係を明らかにするために、解離イオンの電荷と発散角を同時測定し、発散角分布から初期核間距離をクーロン相互作用のみを考慮したシンプルな軌道計算によって見積もった。その結果は解離イオンの最終電荷が初期核間距離に強く依存することを示唆するものであった。

論文

Utilization of electron accelerator and $$gamma$$-ray irradiation facilities

金子 広久; 春山 保幸; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 山口 敏行*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; 川島 郁男*; 松崎 慎也*

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 183, 2011/01

1台の電子加速器及び$$gamma$$線照射施設を、年間の運転計画に基づいて照射利用に供した。2009年度の電子加速器の利用は、宇宙環境材料及び無機機能材料分野が増加し、基盤研究及び原子力材料分野が減少した。$$gamma$$線照射施設の利用は、原子力材料分野が増加し、有機・放射線化学及びバイオ技術・医学応用分野が減少した。

論文

Development of radiation-resistant lighting

土田 崇*; 山縣 諒平; 清藤 一; 春山 保幸; 金子 広久; 樫村 伸司*

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 22, 2011/01

高放射線環境では多くの電気設備は寿命が著しく短くなるなど、使用に際しては制約が多い。照明器具も例外ではなく、高放射線環境下では安定器の絶縁劣化による安定器の損傷・光源部の光束低下などにより、本来の機能を保てなくなる。そこで本課題では、放射線環境下で使用できるように独自の改良を加えた照明器具を、実際に放射線照射施設で運用した状況下で通電・点灯状態を継続することにより、それらの機能性・安全性を検証することを目的とする。

論文

Operation of electron accelerator and $$gamma$$-ray irradiation facilities

春山 保幸; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 金子 広久; 山口 敏行*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; 川島 郁男*; 松崎 慎也*

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 182, 2011/01

電子加速器は、新材料開発のためのグラフト重合,半導体の照射効果,外部ユーザーの種々の実験等に利用されている。電子加速器の年間利用時間は947.9時間であった。コバルト60$$gamma$$線照射施設は3つの照射棟に合計8つの照射室があり、0.04Gy/hから20kGy/hまでの広い範囲の線量率で照射が可能である。第1照射棟では原子力施設で使用される部品等の耐放射線性試験、第2照射棟の第6照射室ではスケジュールされた時間帯に利用することが可能な自由度を持った施設で、食品棟は低線量率での照射試験が可能である。各コバルト60$$gamma$$線照射施設の運転時間は15,971時間, 12,389時間, 7,681時間であった。

論文

Effect of grafting conditions on radiation-induced graft polymerization

植木 悠二; Dafader, N. C.*; 瀬古 典明; 玉田 正男

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 45, 2011/01

放射線を利用した高分子加工技術の一つである放射線グラフト重合法は、既存の高分子基材に新たな機能性官能基を導入することができる優れた手法である。しかし、従来技術では、反応活性種となるラジカルの失活防止対策として、不活性ガス雰囲気下での放射線照射,反応液中の溶存酸素の除去,真空あるいは不活性ガス雰囲気下での重合反応などの煩雑並びに熟練した技術を必要とする。本研究では、このような煩雑な操作を必要としない簡便なグラフト重合体作製方法を確立するために、放射線グラフト重合における各種重合条件のグラフト反応率に対する影響を詳細に検討した。その結果、照射工程においては、大気の遮断が可能な密封型照射容器を使用すれば、脱酸素処理や冷却は不要であることがわかった。また、重合反応工程においては、反応溶液中の溶存酸素濃度が最もグラフト率に影響を及ぼし、照射線量が50kGy以上であり、なおかつ、反応溶液中の溶存酸素濃度が5mg/L以下、好ましくは、2mg/L以下であるならば、重合反応速度がラジカル失活速度を上回るため、大気圧及び空気雰囲気下でも放射線グラフト重合反応が進行することを見いだした。

論文

Fibrous catalyst for biodiesel production synthesized by radiation-induced graft polymerization

植木 悠二; Mohamed, N. H.*; 瀬古 典明; 玉田 正男

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 41, 2011/01

動植物性油脂を原料として製造されるバイオディーゼル燃料(BDF)は、バイオマス由来、毒性が低い、生分解性を有する、再生可能なエネルギーである等の優れた特長を有しており、軽油代替燃料として注目を集めている。近年、多孔性陰イオン交換樹脂を触媒として利用するBDF製造法が開発されたものの、この製法では反応速度が遅い等の問題があった。本研究では、放射線グラフト重合技術を利用した新規BDF製造用触媒の開発を試みた。その結果、エマルション重合とそれに続く化学修飾(第4級アンモニウム基の導入及びNaOH処理)により、目的とする新規BDF製造用触媒を作製することができた。グラフト重合体の反応速度は、粒子状樹脂と比較して3倍以上となり、短時間で効率的にBDFを製造可能であった。反応温度50$$^{circ}$$C,反応時間2時間におけるトリグリセリド(油脂)の反応率はグラフト重合体では82%、粒子状樹脂では26%となった。

論文

電子線同時照射共グラフト法によるゴム表面改質に関する研究

溝手 範人*; 片貝 秋雄*; 玉田 正男

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 47, 2011/01

ゴム製品は、ゴム表面の摩擦低減・耐摩耗性の向上を目的とした塩素化処理やコーティングが行われている。しかし、これらの表面処理は、塩素による環境負荷の問題があり、より環境に優しい表面改質技術が求められている。本研究では、電子線同時照射共グラフト法における親水性・疎水性モノマーの組成比が撥水性などのゴム表面特性へ及ぼす影響について検討を行った。その結果、疎水性モノマーのみをグラフト重合により付与するよりも、親水性モノマーを10%程度添加した系の方が、親水性モノマーのグラフト層に疎水性モノマーが選択的に取り込まれやすくなり、ゴム表面から10$$mu$$m程度の領域に疎水性モノマーが偏在することがわかった。

論文

Development of zwitterionic monolithic column for hydrophilic interaction liquid chromatography and its application to the separation of catecholamines and related compounds

神谷 佳希*; Shin, S.*; Sabarudin, A.*; 梅村 知也*; 植木 悠二; 玉田 正男

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 42, 2011/01

三次元的に気孔が連通した"モノリス"と呼ばれる多孔担体は、従来の粒子充填構造の担体と比較して、流体透過性が高く、また、物質移動が対流により促進される。そのため、通常の数倍から数十倍の速度で送液でき、かつそのような高速送液下でも分離や濃縮、酵素反応等の化学操作を効率よく行えることから、吸着分離剤や触媒担体として注目を集めている。本研究では、親水性相互作用(HILICモード)に基づく新規両性イオン型モノリスカラムの作製を試みた。スルホベタイン型官能基を有する機能性モノマーを主成分とする反応溶液を細管内に封入し、10kGy/hの$$gamma$$線を1時間照射することにより、目的とするモノリスカラムを作製することができた。本カラムを用いてカテコールアミンの分離を試みた結果、アセトニトリル/酢酸緩衝溶液(85:15, v/v)のアイソクラチックな移動相条件にもかかわらず、10種類のカテコールアミンとその代謝物を30分以内で良好に分離することができた。

論文

Alpha-radiolysis of organic extractants for separation of actinides

須郷 由美; 田口 光正; 佐々木 祐二; 広田 耕一; 森田 泰治

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 17, 2011/01

Influence of coexisting oxygen on the radiolysis of organic extractants for the separation of actinides was investigated. ${it N,N,N',N'}$-Tetraoctyldiglycolamide (TODGA) was dissolved in ${it n}$-dodecane, and purged with nitrogen or oxygen gas. The solution was irradiated with helium ions provided by a cyclotron accelerator in the TIARA facility. The concentration of TODGA in ${it n}$-dodecane after irradiation was measured using GC/FID. It was observed the yield for the degradation of TODGA in the presence of oxygen was slightly less than that in the nitrogen-saturated system. Next, a difference in the degradation products according to the existence of oxygen was examined by GC/MS analysis. A number of new peaks assigned to the oxidation products of ${it n}$-dodecane such as ketones and alcohols, were appeared only in the presence of oxygen. This result suggests the intermediate species of ${it n}$-dodecane such as radical cations are liable to react with oxygen. It is therefore considered that the yield for the degradation of TODGA is slightly reduced in the presence of oxygen.

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